ブロック分割による手計算での最長片道ルート探索

ここでは、通過ルートが少ない所を境にブロック分割して場合分けしながら候補を絞り込むことで、電卓による手計算だけで、北海道と九州の最長ルートの探索を行ってみたいと思う。後で、EXCELによる本州最長ルートの計算の際にも3分割するが、このブロック分割の方法が、最長ルート探索のコツみたいなものであることが分かると思う。



1.北海道

図1は北海道のJR路線図である。本州から伸びてきた最長ルートは青函トンネルを通って木古内、五稜郭、長万部と北上してくるのまでは明らかである。長万部まで来ると室蘭本線で海沿いに行くか、函館本線で山越えするか、ルートは2つに分かれるが、どちらが最長ルートなるのかはすぐには判断できないだろう。
そこで次に終点がどこになりそうかを考える。すぐに稚内が候補に挙がるに違いない。仮に稚内を終点とすると、新旭川から網走−東釧路−新得と回れるのでかなり距離が稼げそうである。
さて、新得と長万部を繋ぐルートを考えると、石勝線を使うよりも新得−富良野−旭川−岩見沢と回った方が、距離が伸びそうな気がするだろう。とりあえず、そのまま地図を目で追っていけば、岩見沢−沼ノ端−白石−長万部というルートが見つかる。これが、最長ルートの第一候補である。

図1
図1

ここで、改めて全体を眺めてみると、最長ルートは「新得−東釧路−網走−新旭川」を通過することが必須であるが、長万部と「新得−東釧路−網走−新旭川」を結ぶためには図1の太線区間(新夕張−新得、岩見沢−滝川)の2区間のどちらか(または両方)を、必ず通過しなければならないことが分かる。従って、@岩見沢−滝川のみ通過するケース、A新夕張−新得のみ通過するケース、B両方通過するケースに場合分けして考えてみることにする。



まず、@岩見沢−滝川のみ通過するケースを考える。滝川から先は滝川−旭川−富良野−「新得−東釧路−網走−新旭川」−稚内(図2太線ルート)が最長であることはすぐ分かる。また、岩見沢より手前も岩見沢−沼ノ端−白石−長万部(図2二重線ルート)が最長であることもすぐ分かるだろう。これは一番初めに思いついた候補と同じである。
このルートの距離を計算すると1647.6km(青森−稚内、営業キロ)となった。

図2
図2




次に、A新夕張−新得のみ通過するケースを考える。新夕張より手前は新夕張−追分−岩見沢−白石−苫小牧−長万部(図3二重線ルート)が最長であることは明らかである。新得より先は、「新得−東釧路−網走−新旭川」−稚内(図3太線ルート)が候補であるが、新旭川から先は、新旭川−旭川−富良野−滝川−深川−増毛(図3太点線ルート)というルートも長そうである。実際に計算してみると、新旭川−稚内は257.6km、新旭川−増毛は203.0kmであり、新旭川−稚内の方が長いことが分かった。従い、新旭川−稚内を通過するケースでルートの距離を計算すると1501.9km(青森−稚内、営業キロ)となった。

図3
図3




最後に、B両方通過するケースを考える。このケースでは、新得・滝川間が循環部分となり、終点は長万部側にする必要がある。まず循環部分は「新得−東釧路−網走−新旭川」−旭川−富良野−滝川(図4太線ルート)が最長である。新夕張側を終点と考えると新夕張−南千歳−苫小牧−様似(図4二重線ルート)というように様似が終点に使える。しかし、苫小牧から様似に向かわずにそのまま室蘭本線を通過して長万部を終点する(図4二重点線ルート)のも長そうである。実際に計算してみると、苫小牧−様似は146.5km、苫小牧−長万部は135.2kmであり、苫小牧−様似の方が長いことが分かった。従い、苫小牧−様似を通過するケースでルートの距離を計算すると1580.5km(青森−様似、営業キロ)となった。

図4
図4




以上の結果により、@1647.6km、A1501.9km、B1580.5kmであるから、結局、最初に候補とした@のルートが最長であることが分かった。



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初版: 2005年2月12日