EXCELによる最長片道ルート探索:東京メトロ編

2.「枝」の設定と駅・区間の絞込み

JRの「東京近郊区間内の最長循環ルート」の時は、途中駅を除き、接続駅間のみに「枝」(=0または1をとる変数Hと距離L)を設定していたが、今回は、途中駅を含めた全駅間に「枝」を設定した。
これは、東京近郊区間では最低運賃で行ける範囲が起点からせいぜい2〜3駅程度なのに対して、東京メトロでは最低運賃で行ける範囲が非常に広い(例:桜田門から160円で行ける駅は71駅もある)ためである。東京近郊区間ではまず最長循環ルートを求め、それを切断したり、接続駅近傍に髭をつけたりすることで、初乗り運賃での最長大回り乗車距離を考えることができるが、東京メトロでは、このやり方だと髭のパターンが増えすぎてしまう。初めから途中駅を含めた全駅間を分割した方が簡単・確実である。

この時、異名乗換駅の間にも距離ゼロの「枝」を設定した。こうすることで、乗換しない場合に異名乗換駅を別駅とみなすことができる。

次に、計算を簡略化するため、最低運賃で「接続駅の次の駅」に辿り着けない駅は検討対象から省略した。例えば東西線中野からは最低運賃で早稲田まで行けるが、これはまっすぐ行く1ルートしかない。高田馬場からであれば竹橋まで行けるので、まっすぐ行く以外に飯田橋や九段下で他の路線に乗り換えて大回りすることができる。従って、中野のような駅は検討対象から外すことができる。

また、日比谷−霞ヶ関、霞ヶ関−国会議事堂前、渋谷−表参道、市ヶ谷−飯田橋などは、途中駅のない2路線併走区間なので、距離の長いほうのみを残すこととした。

このような絞り込みの結果、検討対象は107駅、130区間となった。EXCELワークシート用の路線図は図M1の通りである。

図M1
図M1
(黄色はラッチ外乗換駅、青色はラッチ外乗換駅だが、ラッチ内乗換も可能な駅を示す)




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初版: 2005年2月12日